こんにちは、CHIOJIです。
NHKスペシャル「2030未来への分岐点」飽食の悪夢~水・食料クライシス~について、概要と感想を書き留めます。
前回の続き、第3段です。
これは、まぎれもない現実だということを感じながら読んでください。
日本での食料廃棄の現状
日本で毎日廃棄されている大量の食品。
まだ十分に食べられるものがほとんどで、賞味期限内のものも少なくありません。
24時間営業のコンビニなどに卸す為に、フルタイムで作り続けざるを得ません。
日本の食品ロスは年間612万トン。
国連などが世界各地で行っている食料支援の約1.5倍もの量です。
今、地球環境に大きな負荷をかけ、持続可能でない食料システムを見直す動きが始まっています。
人工肉で減らす環境負荷
生産に大量の穀物と水が必要な「肉」。
その消費量を減らすために注目されているのが、「人工肉」です。
この肉の原料は、大豆やココナツオイルなど。
医学者らが人工肉を分子レベルまで解析し、今や肉汁までを再現できるようになっています。
「牛肉→人工肉」生産までに削減できる割合
- 水‥87%削減
- 温室効果ガス‥89%削減
牛肉から人工肉に変えることで、これだけの削減が期待できるのです。
現在普及率が低い日本でも、人工肉を商品化する動きが始まっています。
大手のハンバーガーチェーンでは、人工肉ハンバーガーの商品化を進めており、舌の肥えた消費者を納得させる味を目指しています
これから市場が広まっていけば、牛肉より人工肉製品が安くなる時は必ず来るはずです。
廃棄食材で飢餓を解決
先進国や新興国で続く食品廃棄。
それを、飢餓の解決に活かそうと、大学生たちが立ち上げた「ファームリンク プロジェクト」。
全米各地の150校を超える大学の、700人以上とネットワークを構築しています。
廃棄されそうな食料があると聞きつけると、現場に近いメンバーがトラックなどを手配、回収し、食に困っている人に配ります。
これまでに回収できた廃棄食料は1万1千トン。
これはアメリカの総人口の1日の食事の7%に相当します。
将来的にはこの手法を各国の若者たちにも広げ、食料システムを変える力になりたいと言います。
“地球と体によい”食生活
飽食が食料システムに大きなゆがみをもたらしている中、私たちに求められているのが、食生活の転換です。
イート財団では、世界中の科学者と連携して、食料システムを持続可能なものにする、地球にとって理想な食事を発表しています。
プラネタリーダイエット
健康にも配慮されている、週に摂取する理想的な割合。
- 野菜‥約半分
- 牛や豚‥98g
- 鶏肉‥203g
- ※不足するたんぱく質は豆類やナッツから得る
牛肉・豚肉摂取量を、先進国では8割以上、魚を多く食べる日本でも7割削減した方が良いといいます。
肉の生産に使用していた穀物などを、貧困層の食事にまわすことで、格差の解消に繋げます。
私たちが食生活を変え、さらに食品ロスと廃棄物を削減できれば、現状でも世界で約6億ヘクタール、つまりインドの約2倍の広さの土地を食料生産の為に無理に使わなくてよいことになります。
私たち、一人一人に役割があるのです。
2030年までに飢餓をゼロにし、持続可能な食料生産を達成できるか。
未来への分岐点、2030年まで、あと10年…
地球温暖化により、地球の未来、つまり私たちの未来が危ぶまれています。
私たちの将来、また子供たちやその子供たちに、より良い未来を残してあげたい。
そう思うようになるきっかけを与えてくれました。
まさか、私たちが何気なくしている食事でさえ、地球温暖化を加速させる原因になっているとは思いもしませんでした。
昔と比べ、食は豊かになり、同時に栄養源も偏ってきています。
食生活を変えることは、自分の身を守ることであり、また未来の地球を守ることにもなるということです。
少しでもおいしく安いものを追求するあまり、消費者、企業はその欲を満たそうと突き進める一方です。その元凶となる、私の食生活への意識改革をすることにより、小さなうねりはやがて大きなうねりとなり、社会のシステムを変えていく動きとなっていくでしょう。
食べたいものを好きなだけ食べることは、もうやめよう。
まずは、身近なことから、例えばスーパーでも最近よく見かけるようになった、人工肉である、「大豆ミート」から始めてみようと思っています。
みなさんは、何から始めますか?また、何をやめますか?
次回、2030 未来への分岐点 (3)「プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界」へ続きます。
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