新たなフェーズに入った地球温暖化
人類と生き物たちの存続を脅かし始めています。
2020年地球の平均気温は、産業革命前と比べて、既におよそ1.2℃上昇。
異変が相次いでいます。
氷の国の異常事態
年間を通して、面積の8割が氷に覆われた北極圏グリーンランド。
雪が数百メートル降り積もってできた氷床が溶けて、湖が出現。
2019年に溶けた氷の量は、5320億トン。
観測史上最大となりました。
溶けた水を、東京23区に注ぎこんだとしたら、
東京タワーを超え、スカイツリーも超え、
800m以上の水位に。
温暖化で膨大な氷が毎年のように失われているのです。
温暖化で森が焼け野原
さらに温暖化は、豊かな森を焼け野原に変えています。
2019~20年にかけて続いた、オーストラリアの山火事。
乾燥と高温で火は瞬く間に拡がり、
カンガルーやコアラなど、30億匹以上の動物が犠牲になりました。
過去最悪規模の山火事が発生した、アメリカのカリフォルニア。
都市が真っ赤に染まり、健康被害を訴える住民が続出しました。
2020年、世界で焼けた森林の面積は、およそ63万㎢。
日本列島の1.7倍もの広さが失われたのです。
温暖化で未知のウィルス
温暖化によって、新たなリスクも浮かび上がっています。
北極圏シベリアでは2020年、38℃という観測史上最高の、異常な高温を記録。
数万年に渡って溶けずにいた永久凍土の融解が急速に進んでいます。
溶け始めた永久凍土からは、新種のウィルスが発見されました。
モリウィルスと名付けられたウィルスの増殖能力に、研究者は脅威を感じています。
生物の細胞に入ると、12時間で1000倍に増殖。
細胞を死滅させて、突き破ります。
研究者グループはWHOに対策を求める意見書を提出。
「古代の病原体が人類に新たな感染症の流行をもらたす可能性は高い」
「永久凍土はまさに、パンドラの箱である」
今、私たちは決定的な10年に入りました。
人類の未来を左右する10年です。
私たちは壊滅的な危機に直面し残り時間もわずかになっています。
つまり緊急事態の真っただ中にいるのです。
今すぐアクション
甚大な被害を避けるためには、平均気温の上昇を、産業革命前から1.5℃に抑える必要があります。
温室効果ガスの排出を2030年までに半減し、2050年には実質ゼロにしなければなりません。
未来への分岐点、2030年まで、あと10年…。